本田美奈子.が残した詩(うた)

地球へ

私は、あなたのとても小さな細胞の1つです。でも、自分達の事を人間と呼んでいるので、
人間と名乗らせて頂きます。もし、あなたが、痛さを感じる事の出来る星だとしたら、
最近、あちこちに痛みを感じているのではないですか?!私たちが戦い合って、たくさんの
血を流したり、透き通る青い海をヘドロに変えて、海の中で生活している生物を、
死に追いやったり、ジャングルの木をどんどん切って、自然を破壊したり、あの果てしない
空だって、スモッグでいっぱい。私、ある本で読みました。私達が生まれる前に、
私達以上に発達し、優れている人間がいて、今の私達と同じように欲をかき、
贅沢を求め歩み方を間違えた結果、太陽が無くなり、氷河期が訪れ、死んでいったという内容でした。
それは本当ですか?!もしかして、その時の痛みは今と同じ痛みなのではないでしょうか?!
それを考えると、とても恐くなります。
今は何でもお金で買えるって勘違いしている人間が、とても多いんですョ。
でも、現在、破壊され続けている自然は、いくらお金があっても買えないのです。
買えないと分かっていても、やり続ける人間も多いはず。ちっぽけな私にも、変化が起きています。
それは花粉症になったのです。なーんダ そんな事か、と思うかもしれませんが、
これも人間が自然を破壊しているからなんですよネ。
土が少なくなって、コンクリートが多くなったり、排気ガスを花粉が混合して、アレルギー鼻炎をおこすそうです。私が小さい頃は、花粉症でこんなに悩んでいる人は、少なかったのに、
今では、あちこちで花粉症という言葉を聞くようになりました。さっきの話の続きですけど、
人間は自分の手で自然を壊しているくせに、その反面自然を求めている。
どういう事かというと、人間の欲望は、自然と反比例していると、私は思うんです。
あなたもそう思いますか?!本当は、自然と人間が仲良くする、
いや、もしかしたら、人間は自然に合わせて生きていかなければいけないのです。
私達はあなたに、悪い影響を及ぼす事ばかりしているから、地震、洪水をはじめ
沢山の、災害が起きているのではないでしょうか?!最近、幼い頃の事を良く思い出すんです。

そういえば、夏休みのラジオ体操の後に、そのまま友達と、カブト虫・クワガタ・カミキリ虫を
たくさんとりに行きました。でも現在は、どこをさがしてもいません。
カブト虫もクワガタもデパートに売っているものだと思っている子供たちの方が多い位だと思います。
そう考えると私はまだ幸せだったと思います。私の家にカマキリが入り込んでて、
母が手の上に乗せたらカマキリがハサミを振り上げて怒ったのです。
母が頭を撫でてあげたら、ハサミがだんだん下がり、母になついてしまいました。
その次の日も窓を開けると、そのカマキリが出て来て一緒に遊んだのです。次の日も...次の日も......
とても不思議だし、思い出しただけで笑みを浮かべ、幸せな気分になれるんですヨ。
あと近くの小さな山には、湧水が出ていて沢ガニがたくさんいました。水遊びやドロンコ
遊びに夢中になって、喉が渇くと、自動販売機のジュースではなく、湧水を飲んでいました。
今では、その小さな山は、人工的な公園に変わり、沢ガニはいません。
でも毎年ホタルを放しています。それでもやっぱり淋しいです。私はこんなに自然と触れ合った
楽しい経験があるのに、今現在の子供達は、機械のゲームや、塾、室内にいることが多く、
外で泥んこまみれで遊ぶことを知らない子供達が多いと思います。
可愛想だと思う気持ちと、その子供が大人になった時に、増々、自然と仲良くすることが出来ない、
いや、仲良くすることを知らない人間が多くなるのでどうなってしまうのだろうという気持ちでいっぱいです。
だけど、私も気が付かないうちに、あなたに悪い事をしているかもしれません。
もしかしたら、悪い事をしないと、生活していけないのかもしれません。
でも、私はあなたに痛さを与えない様 自然と少しでも仲良くなれる様 心掛けたいと思います。
あなたが元気いっぱいでいられるためにも
そして
私たちが滅びないためにも...
地球の細胞より