本田 美奈子.

本田美奈子.という人は生き方そのものがメッセージでありドラマだった様な気がします。
新しい事に挑戦する事で新しい自分に会えるといつも口癖の様に云っていました。
新しい自分、つまりより輝いている自分が、次の世界に、待っているという事なのです。
だからいつも新しい事に前向きに挑戦し続けたのだと思います。
まさに一歩一歩を自分なりに大切に進んで行く日々でした。

いつも笑顔を絶やす事なく懸命に生きようとした彼女は
小さな幸せとは何かという事を私達に教えてくれたのです。
小さな幸せとは「今を生きていること」そしてそれこそが大きな幸せに
つながるという事なのです。朝、目が覚めた時その目で何かが見えること、
音が聞こえること、歩いていて風を感じられること、
その他、毎日暮らしていればあたり前のように見過ごしてしまう
些細なことや自然の中に小さな幸せは沢山あり、
それを幸せと感じる心を持った自分でありたいと
常日頃思っていたのだと思います。

「私は太陽になりたい」

「人はみんな生きるために生れてくる、だけど様々な困難に直面した時、人は悲しみに
打ちのめされ絶望してしまう。しかしあきらめないでほしい!!希望を見失って立ち止まってしまってもいい、でもゆっくりでいいから、もう一度勇気を出して前を向いて歩きだそう。
だって、あなたはその命を輝かせるために、生まれてきたのだから」
美奈子はいつも「私は太陽になりたい」と云っていました。
多くの人の心に光を与えられる様な歌手になりたいというのが口ぐせでした。
でも、今は多くの人に光を与えているのだと、私達は確信しております。
彼女の病魔との闘いは、全国の同じ病で入院している患者さんに闘う勇気と希望と光を与え続ける事が出来たのだと思います。そして、天使になった今も、みんなに大きな力を与え続けているのだと思っています。美奈子はいつも自分の心の中に、天使と悪魔がいて葛藤していると云っていました。そして、いつも天使が勝つように心がけていたのです。

「美奈子の愛は永遠です。」

舞台は生きものです。毎日が新しくて、とても恐いけど楽しい、でも人間ですから壁にぶち当たる事もありましたし、落ち込むこともありました。
本田は悩むと、とことん自分を追求するタイプで逃げないで解決に全力を使い疲れ切ってしまいながらも気持を取り直して、このままじゃ何も始まらないと思ったら、美奈子は自分に言い聞かせながら前向きになろうと・・・気持を切り換えてやり直すのです!!
全ては自分の為であり、自分自身で前を向かない限りは解決しない事なのだといつも云っていました。その強い意志と強い精神はこの時に培われたものなのです。

本田美奈子.には、もう逢う事が出来ませんが、彼女が残した愛と心は無限であり、永遠であり、常しえに、私達を支えていてくれるのだと思います。
そして太陽、風、光、等の自然を感じる心を持つ事で、私達はこの地球に生れた事の意義を感じるのだと思います。

本田美奈子.は私達に身を以って生きる事の素晴らしさを教えてくれたのだと思います。
美奈子の愛は永遠です。

本田美奈子.

1967年7月31日東京都葛飾区柴又生まれ。1才より朝霞で育つ。
1985年、ポップス歌手としてデビュー以来、数々の音楽賞を受賞し、同年には武道館においてのファーストコンサートを成功に収めた。
また88年には女性ロックバンドを結成するなど、音楽の世界で常に新しいジャンルに挑戦してきた。

92年、ミュージカル「ミス・サイゴン」のヒロイン「キム」役を12,000人の中から射とめ1年6ヶ月のロングランを演じきったのをきっかけに、以後「レ・ミゼラブル」のエポニーヌ役、「屋根の上のヴァイオリン弾き」でのホーデル役、「王様と私」のタプチム役、「クラウディア」でのクラウディア役など数々の役柄を好演し、ミュージカル界から高い評価を得た。
2000年8月、シドニーのオペラハウスで「日豪親善コンサート」に参加。10月東京青山劇場においてデビュー15周年記念リサイタル「歌革命」を開催し、大きな反響を呼んだ。

2003年5月、ソプラノ・ヴォイスを用いた初のクラシカルアルバム「アヴェ・マリア」をリリース。岩谷時子のサポートを得て、クラシックの楽曲に全編日本語の詩を編みこみ、新しいクラシックの世界を切り拓き、各方面で大きな話題を呼んだ。その後、各地でのソプラノ・ヴォイスによるコンサートやオーケストラとの共演などで活躍、2004年11月にはクラシカル・アルバム第二弾「時」をリリースするなど、新しい歌の世界に注目が集まる中、2005年1月に急性骨髄性白血病で入院、10ヶ月以上に及ぶ闘病生活ののち、同年11月6日に永眠した。

入院中の2005年10月に発売された「アメイジング・グレイス」は、空前のヒットとなり、日本ゴールドディスク大賞を受賞。その美しいソプラノ・ヴォイスは、多くの人の記憶に留まり、さらに感動の輪を広げている。